初めての彼女

先ほど高校一年から陸上少年になったことは書いた。
さて、見た目は痩せて変わったことも書いたが、陸上をやることでもう一つ大きく変わったことがある。
それは付き合うまわりの友達である。

この頃の友達は同じ部活の同級生。さすがにおたくはいなかった。
同じ努力や辛い練習を分かち合ってると奇妙な絆が生まれる。

友達作るのが苦手な人はスポーツを一度本気でやってみたらどうだろうか?
正直、努力してる間はダメかもしれないが結果が出せるようになったら、
絶対バカにされることはない。同じチームメイトだから強い人はいると嬉しいじゃんね。
だから結果が出せるようになったらむこうから近づいてきてくれるようになるよ?

さて、そんな同じ部活の同級生に高一の夏、合コンに誘われる。
中学時代の友達だったら合コンに誘われることなんてありえなかっただろう。
中学時代の友達もおたくで女にモテないやつばかりだったから(笑)。

ここで奇跡が起きる。
この時知り合った女の子と付き合うことになるからだ。
違う高校の同年代の女の子。

このときはまだ携帯電話はそんなに普及していなく、PHSが全盛期だった。
知り合ってからPHSで毎日メールをしていた。
女の子とメールをするのはこの時が初めてだった。
初めての女友達、好きになるのは即効だった。
でも自分に自信がなくて告白なんてできるはずはなかった。
ずっと片想いだと思っていた。
しかし、高校一年の秋、知り合って2か月のとき、相手から告白してくれる奇跡が起きた。

初めての彼女である。

彼女ができると自分の生きている世界が本当に変わった気がした。
僕は彼女にどっぷりはまった。
毎日メールした。授業中も先生に見つからないようにこっそり机の中でメールをした。
「好きだ」と言うと「わたしも好き」と返事が来た。
ときメモの世界ではない。現実だ。

しかし、問題があった。女の子と会話したことがほとんどない僕は、
デートの最中ほとんど無口だった。何をしゃべっていいかわからない。
ゲームの中では三択から選べたけれど、選択肢は自分で作らなければならないのだ。

僕が20代中盤くらいの頃に「電車男」というのが話題になったが、まさにそれと似ている。
おたくが女の子と現実でいきなりうまくしゃべったりできるわけがない。
もちろんキスとかなんてもってのほか。
三回目のデートで僕は手を繋いだけれど、それ以上の進展はなく、
わずか二か月で僕はふられることになる。
理由は「他に好きな人ができたから」だった。

人生初めての失恋。
ショックで一晩中泣いた。眠れなくて徹夜で次の日学校に行く。
朝練はサボる。学校も早退して彼女と初めてデートした公園に行き、
そこのベンチで一人でずっと泣いていた。

ゲームと違い、リセットはきかない。
僕の初めての恋は簡単に短く終わった。